結局南極物語(へへっ)、東京に戻ってきたのであるが、去年は音楽以外のことに心を奪われていて(つまるところ、それは己に対する失望、ぶへっ!なんだそれは!)、惰性でしか音楽を聴いていなかったので、今年はちゃんとしようとおもって、BTTB、back to the basic by S本R一、てなわけでフランク・ザッパを聴きかえしていたりするわけなのだが、『ジョーのガレージ』が感動的であった。音楽は人間を駄目にする、という理由で違法になっているという架空の近未来世界で繰り広げられる物語で、しいていえばミュージカル風味の作品なんだけれど、アイク・ウィリス扮する主人公のジョー(ギター弾き)が、「発音するのが不可能な病気」(gonococcus=淋病)にかかって、「どーしてションベンをすると痛むのか?」という「eternal question」を発しながら嘆いたり、そして、現実の女に失望したジョーが50ドルを借金してドイツ語を話す掃除機型のロボットとxxxしていたが、あまりの気持ちよさに「golden shower」を漏らしてショートさせてしまってパクられたり、そうして、ぶち込まれた音楽業界にかかわった犯罪者を収監する特別刑務所でテリー・ボジオ扮する元レコード会社重役のハゲ頭のジョンほかその他大勢にカマを掘られて気がおかしくなったり、という、なんとも、なんとも、荒唐無稽でヒドいエピソードてんこもりなわけなのだが、フィナーレの「リトル・グリーン・ロゼッタ」という曲でザッパ本人のスピーチのなかで、このレコードが何の役にも立たなかったら投げ捨てて自分自身のグリーン・ロゼッタをつくってくれ("Built your own green rosetta")というのだが、ちなみにグリーン・ロゼッタなるものは、「マフィンの味をよくするもの」らしい、しかし、これはザッパが生涯言い続けていたことだなあ、と妙に感動してしまったのだけれど、これはハードコアなザッパの信奉者にしか関係のないことだ。ちなみに俺は*プログレ・ファンじゃない*。ザッパ自身は自分のことを音楽家と言い張るだろうけれど、音楽以外の要素が色々混ざりこんできて、何だかよく訳の分からない世界を形成しているから好きだわ。